異なるインデックスファンドであっても、連動する指数が同じであれば基本的にパフォーマンスも同じです。しかし、同じ指数に連動するインデックスファンドを別々の運用会社で設定しているケースも多く、その結果、商品数が非常に多いのがインデックスファンドを選ぶ際の難点です。選ぶ時に注意したいポイントと、代表的なファンドを紹介します。
- インデックスファンドは同じ指数に連動する銘柄が複数あって選びにくい
- パフォーマンスはどれも同じ。コストが安く残高が大きいものを選びたい
- TOPIXとS&P500なら、いずれも『eMAXIS Slim』が合理的
インデックスファンドとは? 仕組みとメリット
インデックスファンドとは、日経平均や東証株価指数(TOPIX)、NYダウなどの指数に合わせて値動きするように作られたファンドのことです。各指数の構成銘柄のすべてに投資しているので、高い分散効果を期待できるのがメリット。投資経験を問わず、多くの投資家に親しまれています。
一方、アクティブファンドは、指数を上回る運用成績を目指して、ファンドマネージャーが個別に銘柄選定を行います。銘柄選択というプロセスが発生する分、信託報酬などのコストが割高になりやすい傾向があります。これに対してインデックスファンドは、機械的に銘柄が選定されるため、コストが割安な点も魅力です。
市場平均に合わせて値動きするインデックスファンドに、短期で資産が倍増するような運用成果を求めることは難しいかもしれません。しかし、長期積立投資を継続することで、将来的な資産の成長を期待できます。政府が掲げる長期・分散・積立投資の受け皿として、もっとも有力な選択肢となっており、実際につみたてNISAの対象商品215本のうち、185本はインデックスファンドです(2022年9月13日時点)。
インデックスファンドの選び方
一方でインデックスファンドは乱立ともいえる状態にあり、同じ指数に連動するインデックスファンドが多数存在しています。例えば、つみたてNISAの対象商品でTOPIXに連動するインデックスファンドは13本、日経平均株価に連動するインデックスファンドは20本もあります(2022年9月13日時点)。
どれも同じ指数に連動するよう設計されているため、パフォーマンスに大きな差はありません。ということは、インデックスファンド選びのポイントの一つは、コスト(手数料)ということになります。
さらにインデックスファンド選びのもう一つの尺度として、純資産総額があります。純資産が少なすぎる商品は、運用を継続する見込みが立たなくなった場合に償還されるリスクがあり、長期投資の方法としては不安が残ります。純資産残高が少ないよりは、多いほうが長期的に安心して投資できるでしょう。

運用成果が同じなら、安くて純資産残高が多い商品を選びたい
「一物多価」は改善方向にあるものの……
インデックスファンドの「一物多価」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、同じ指数に連動してパフォーマンスも同じなのに、商品によって手数料体系が異なる問題のことをいいます。同じ投資信託会社の実質同じファンドでも、ものによって手数料が違っているのです。これは金融庁も問題視しており、是正が少しずつ進められています。
そうした背景から、投信会社大手のアセットマネジメントOneは、日経平均株価やTOPIXに連動するインデックスファンドの信託報酬をそれぞれ0.5%と0.6%に統一しました。同じく三菱UFJ国際投信は、2022年中に約20本のインデックスファンドを対象に国内資産は0.5%、海外資産は0.75%に統一する予定です。
このように、同一社内での「一物多価」は解消される流れにありますが、それでも他社商品との比較においては「一物多価」といわざるを得ません。そこで、ここからは一物多価の実態をチェックしていきたいと思います。
実際どうなの? 「一物多価」を比較!
ここでは、同じ指数のインデックスファンドでどれくらい手数料に開きがあるのか一覧表にしました。つみたてNISAの対象商品となっているインデックスファンドの中でも、国内株式が対象のTOPIXと、代表的な米国株指数のS&P500のそれぞれに連動するファンドについて、コストと純資産総額を検証していきます。
まずはTOPIXに連動するファンドをご覧ください。
コストは0.154%が最低となっており、同水準の商品が多数肩を並べています。『iFree TOPIXインデックス』『東京海上セレクション・日本株TOPIX』『ニッセイTOPIXインデックスファンド』などが該当します。
手数料0.15%の商品の中でも純資産総額が大きいのは『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』と『ニッセイTOPIXインデックスファンド』となりました。コストと純資産総額を総合的に見れば、これらのファンドが有力な選択肢になりそうです。
次は、S&P500に連動するファンドを見てみましょう。
こちらはTOPIXより手数料にやや開きがある結果となっています。とにかく手数料が安いものとなると、信託報酬の年率が実質0.0938%の『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』ですが、このファンドの次に信託報酬が安い0.0968%とは気にするほどの違いでもありません。低コストかつ純資産総額が多い商品という観点で選ぶと、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』も有力な選択肢になります。
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