
本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。
米国株式は徐々に値を戻す
長期金利の低下、好調な業績が支え
■米国株式市場は、5月中旬に一旦調整しましたが、その後は徐々に値を戻す展開です。インフレ期待が落ち着き、長期金利が低下気味に推移していることや経済指標が堅調に推移する中、業績の上振れ傾向が続いていることが背景です。

S&P500種指数と長期金利 (注)データは2021年1月4日~2021年5月27日。S&P500種指数、同予想EPSは2021年1月4日=100。長期金利は米10年国債利回り、予想EPSは12ヵ月先予想、FactSet集計。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
リビジョンでみるEPSの堅調さ
2010年以降で2度目の50ポイント越え
■12ヵ月先予想利益(EPS)は堅調な推移が続いています。業績予想の上振れ・下振れ度合いをみるリビジョン・インデックスは5月13日に50.4、20日に55.3と、2010年以降で2018年1-2月に続いて2度目の50超の局面に入っており、その勢いは顕著です。
■米国では、新型コロナの新規感染者数が安定して減少しており、ワクチンの効果が発現している可能性が高まっています。新規感染者数の減少は生産活動や対面型サービス業には追い風であり、消費は引き続き堅調に推移する見通しです。当面は、業績の回復モメンタムが株価を支えると考えられます。

S&P500種指数とリビジョン・インデックス (注)データは2010年1月7日~2021年5月27日。リビジョン・インデックスは21年5月20日まで。週次、4週移動平均。リビジョン・インデックス:当期利益のコンセンサス予想をベースに、(上方修正件数-下方修正件数)÷(上方修正件数+下方修正件数)で計算。当期利益はI/B/E/S予想。
(出所)Datastreamのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
利益の成長に加え、使い道にも注目
■なお、業績リビジョンの改善は、夏以降に一服すると思われます。短期的に景気の改善度合いがピークをつけると見られるほか、経済の正常化を受けて、原材料価格や輸送費といったコストの上昇が次第に利幅を抑制する可能性が想定されるためです。業績に対する期待は利益の成長に加え、利益の使い道へと広がりを持ち始めると考えられます。将来の成長を見据えたデジタル投資、自社株買いや増配による株主還元などに対する期待が高まると思われます。
■合わせて、物価上昇と長期金利にも留意する必要があります。投入コストの上昇が価格に転嫁されれば、物価の上昇に結び付きやすく、長期金利の上昇が株価を抑える場面も想定されるためです。こうした点からも、今後は利益の使い道が注目されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『リビジョン・インデックスでみる米国EPSの底堅さ』を参照)。
(2021年5月28日)
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