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Sunday, July 11, 2021

「復興五輪」のはずが…知事「思い描いていた全体像と違うものに」 - 読売新聞

 「復興五輪」が遠くにかすんだ――。福島県営あづま球場(福島市)で行われる東京五輪の野球・ソフトボール競技の無観客開催が10日、決まった。8日に有観客開催が示されてから一転、新型コロナウイルスの感染状況悪化などに伴う方針変更に、関係者には落胆が広がった。

 10日午後5時過ぎ、県庁で臨時の記者会見を開いた内堀知事は冒頭、時折メモに目を落としながら「本日、東京五輪の野球・ソフトボール競技を無観客で行うよう組織委員会に要請を行い、了承いただいた」と硬い表情で語った。

 無観客の理由について内堀知事は、県内での新型コロナ感染状況の悪化や、東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県以外の会場を有観客とする前提が、北海道の無観客開催で覆ったことなどを挙げた。

 「復興五輪」を掲げて準備を進めてきただけに、内堀知事は「復興五輪の骨格は残ったが、我々が思い描いていた全体像とは違うものになってしまった」と述べた。

 会見では、県内の子どもたちを招待する「学校連携観戦チケット」の中止も明らかになった。21日のソフトボールのイタリア―アメリカ戦を全校生徒24人で観戦予定だった会津若松市立湊中学校。伊達東校長(55)は「県が安全を担保できないと判断したのならやむを得ない。ただ、世界レベルの選手を子どもたちに見せてあげられる良い機会だったので残念だ」と話した。同校は今後、県からの正式な通知を待って、生徒や保護者に通達する。

 都市ボランティアの活動も取りやめる。県内では、交通や観光案内で延べ約1500人の参加を予定していた。9日の研修に参加し、本番で着るユニホームを受け取ったばかりだった福島市森合、会社員の女性(31)は「感染者が増えている中で仕方がないが、1日で状況がこんなに変わってしまい驚いている。別の機会に福島の良さの発信に携わりたい」と話した。

 福島市町庭坂の女性(72)は、12日に2度目の新型コロナのワクチン接種を受け、万全の状態で当日を迎えるつもりだった。女性は「復興五輪を掲げた以上、有観客で開催し、多くの人に福島の現状をその目で見てほしかった」と残念がった。

 県内の特産品や土産物など4000点以上を取り扱うJR福島駅近くの県観光物産館では、7月下旬に最盛期を迎える県産モモの主力品種「あかつき」を中心に、県の特産品をPRする方法を考えるなど準備を進めていた。桜田武館長(51)は「県外や世界中の人々に福島の魅力を知ってもらう貴重な機会が失われたと考えると、正直残念で寂しい気持ちだ」と話した。

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