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Sunday, August 15, 2021

こだわりたいインデックスファンドの運用コスト、0.1%でも馬鹿にできない差 - モーニングスター

こだわりたいインデックスファンドの運用コスト、0.1%でも馬鹿にできない差

2021/08/12 17:36

 国内公募投信のインデックスファンドにおける運用コスト(信託報酬等)の引き下げ競争の結果、もっとも先鋭化した「S&P500」インデックスは、信託報酬(税込み)が年0.1%を下回る水準に低下した。同様に競争が激しい分野が、日本を除く先進国株式指数である「MSCIコクサイ(配当込み、円ベース)」に連動したインデックスファンドだ。こちらは、信託報酬(税込み)が最低で年0.1023%(税抜0.093%)になっている(期間限定除く)。コストは少しでも安い方が投資家にはメリットだが、はたして0.1%程度のコストの差が実際にパフォーマンスにどれほど影響するのだろうか? 現実のファンドの運用実績から、パフォーマンスとコストの関係を調べた。

 野村アセットマネジメントが設定・運用する「野村 スリーゼロ先進国株式投信」は、「MSCIコクサイ(配当込み・円ベース)」に連動することをめざすインデックスファンドで、信託報酬がゼロのファンドだ。信託報酬ゼロは2030年12月31日までの期間限定で、その後は年0.11%(税抜0.1%)以内の率とするとされているが、これからでも9年超はゼロ%で投資ができる。販売会社が野村證券に限定されているため、残高は13.7億円と大きくはないが、現時点で最低コストのファンドであることは間違いない。そこで、このファンドのパフォーマンスをベースに、信託報酬が年0.1023%の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と年0.66%の「eMAXIS先進国株式インデックス」を比較した。

 3ファンドともに、連動をめざすインデックスは「MSCIコクサイ(配当込み・円ベース)」であるため、パフォーマンスの推移は重なっている。半年や1年間では、ほとんど差が認められないが、1年を超えてくるとパフォーマンスの差が徐々に開いてくることがわかる。

 今回の比較は、「野村 スリーゼロ先進国株式投信」が設定された2020年3月16日を起点としているため、比較期間は21年8月11日までの約1年5カ月間でしかない。運用期間の半年後の20年9月16日のパフォーマンス格差を比較すると、信託報酬が0.1023%の「eMAXIS Slim」との差は0.08%でしかない。信託報酬0.66%の「eMAXIS」との差は0.36%だ。1年後の21年3月16日には、この差が「eMAXIS Slim」で0.15%、「eMAXIS」では0.72%に広がる。さらに、約1年5カ月経過した21年8月11日では「eMAXIS Slim」で0.22%、「eMAXIS」では1.02%になる。0.22%程度の差であれば目をつぶることもできるだろうが、さすがに1%を超えて差が出ると気になるだろう。

 たとえば、2020年3月16日に100万円を投資したとして、21年8月11日に解約した場合、「野村 スリーゼロ先進国株式投信」の受取金額は税引き前で175万8500円だが、「eMAXIS先進国株式インデックス」の場合は174万530円になる。100万円の投資に対し1万7970円の差が出る。そして、この差は、運用期間が長くなればなるほどに大きくなっていってしまう。

 このような運用コストの差は、多くの販売会社で取扱いのある「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と「eMAXIS先進国株式インデックス」との間でも同様に生じている。2020年3月16日に運用を開始して21年8月11日現在の差は0.80%で、100万円あたりの解約時の受取額(税引き前)の差は1万4183円だ。「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」はオンライン取引専用ファンドという制約があるが、オンライン証券などでは「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と「eMAXIS先進国株式インデックス」を両方扱っているケースもある。その場合、「eMAXIS先進国株式インデックス」を継続して保有する意味はないだろう。「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」に乗り換えるべきだ。

 なお、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は、純資産残高に応じて信託報酬率が段階的に下がっていく報酬体系になっている。8月11日現在の純資産残高は2390億62百万円であるため、実際の信託報酬率は年約0.09996%になっている。残高が1000億円以上の部分には年0.09889%(税抜0.0899%)が適用されるため、今後残高が増えることによって年0.09889%に限りなく近づいていくことになる。「eMAXIS先進国株式インデックス」も残高に応じた信託報酬率体系になっているが、同ファンドの場合は、ようやく最初の変更点である500億円に残高がとどいたところであるため、これまでは残高に応じた軽減料率は適用されていないと考えて良い。

 このように、信託報酬が0.66%と0.10%とでは運用期間が1年を超える運用では、この運用コストの差がパフォーマンスに気になる違いを生み出すことになる。インデックスファンドの信託報酬については、同じ「MSCIコクサイ(配当込み・円ベース)に連動をめざすインデックスファンドでも年0.22%、0.55%、0.88%などのファンドがある。このコストの違いは、着実にパフォーマンスに影響を与えるものであるため、投資をする際に、「0.1%程度の違い」などとは考えずにしっかりチェックするようにしたい。(グラフは、MSCIコクサイに連動するインデックスファンドの信託報酬の違いによるパフォーマンスの差)

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