最高値更新のインド株式 広がる投資の選択肢!?
2023年度に入ってからインドの株式市場が堅調な展開となっています。インドのボンベイ証券取引所における代表的な株価指数であるSENSEX指数とインドのナショナル証券取引所における代表的な株価指数であるNifty50指数は、7月6日にそれぞれ過去最高値を更新しています(図表1)。7月5日から6日にかけて、日米欧中など世界の株式市場は調整局面を迎えていますが、インド株式についてはほとんど調整もなく独歩高となっています。
インド株式が堅調な展開となっている要因としては、新興国の中でもファンダメンタルズが良好で、世界1位と推定される人口や所得の増加を背景に多様な企業の業績拡大が続くとの期待があります。また、中国からインドへの分散投資の需要も株価を押し上げていると考えられます。
好環境が続くインド株式ですが、日本のファンド投資家目線では2つの環境変化がありました。
①インド株式ファンドが初めてつみたてNISA対象ファンドに
②インド株式のインデックスファンド(ETF除く)が誕生
それぞれについてコメントします。
①2023年6月9日より、つみたてNISA対象ファンドとしてインド株式に投資するファンドが初めて加わりました。ピクテ・ジャパンのiTrustインド株式が、資金流入超の回数が2/3以上をクリアし、設定から5年が経過したことなどから、つみたてNISA対象ファンドとして金融庁へ届出されました。これによって、つみたてNISA口座において、新興国インデックスファンドを通じたインド株式への投資だけでなく、米国株式ファンドのように単一国株式ファンドとしてもインドが選択できることになりました。SBI証券取り扱いのつみたてNISA対象ファンドの3年リターンランキング(6月末)では、iTrustインド株式がS&P500インデックスファンドを上回って1位になっています。インド株式は3年リターンで見ると特に好パフォーマンスを上げています。
②つみたてNISAではインド株式ファンドはiTrustインド株式の一択のみですが、インド株式に投資するファンドは様々あります。例えば、iFreeNEXTインド株インデックスは、Nifty50指数(配当込み、円ベース)の動きに連動させることをめざして運用を行うファンドで、投資信託(ETF除く)では初のインド株式のインデックスファンドとして2023年3月13日に運用を開始しました(詳細はこちら)。対象インデックスのNifty50指数(配当込み、円ベース)は過去20年間で15倍となる投資成果を上げています(図表2)。
上記の出来事に加えて、今回はインド株式インデックスを上回る好成績のインド株式ファンドを取り上げます。
長期の10年リータンでインデックスを上回ったファンドを図表3で、インド株式が特に好調だった3年のリターンにおいてインデックスを上回ったファンドを図表4で表示しました。
図表1 インドの株価指数の推移 (2018年6月末~2023年7月6日)

※QUICKデータをもとにSBI証券作成
図表2 Nifty50指数(配当込み・円ベース)の長期推移 (2003年6月~2023年6月 月末値 2003年6月=100)

※BloombergデータをもとにSBI証券作成
図表3 好成績インド株式ファンドの特徴と運用成績 (10年リターンでインデックスを上回るファンド)
図表4 好成績インド株式ファンドの特徴と運用成績 (3年リターンでインデックスを上回るファンド)
インデックスを上回る好成績インド株式ファンドの特徴は?
インデックスを上回る10年リターン1位は、新生・UTIインドファンドです。組入上位銘柄はITサービス・ソリューション会社のLTIマインドツリー、商業銀行大手のICICI銀行、金融サービス会社のバジャジ・ファイナンスなど56銘柄に投資しています(※)。直近1年ではインデックス対比で苦戦しています。
10年リターン2位の高成長インド・中型株式ファンドは、金融および投資サービスを提供するチョラマンダラム・インベストメント・アンド・ファイナンス、ソフトウェア大手のパーシステント・システムズ、エンジンや発電装置を手がけるカミンズ・インディアなど83銘柄に投資しています(※)。
10年リターン3位のT&Dインド中小型株ファンド(愛称:ガンジス)は、チョラマンダラム・インベストメント・アンド・ファイナンス、自動車部品メーカーのウノ・ミンダ、自動車部品メーカーのサンドラム・ファスナーズなど45銘柄に投資しています(※)。
10年リターン4位のイーストスプリング・インド消費関連ファンドは、自動車メーカーのマヒンドラ・マヒンドラ、商業銀行大手のアクシス銀行、ICICI銀行など43銘柄に投資しています(※)。
インデックスを上回る3年リターンの上位ファンドでは、インフラ関連株式のファンドが半分を占めました。インフラ関連株式とは、建設、エネルギー、電力の会社などです(HSBC インド・インフラ株式オープンの上位組入銘柄を参照)。これらの会社はインドのモディ政権による大型インフラ投資計画の推進で恩恵を受ける企業といえます。
3年リターンの上位ファンドでは、3位のイーストスプリング・インド消費関連ファンドと6位の高成長インド・中型株式ファンドが、10年リターンでも好成績であり、異なる投資環境でも好成績を上げているバランスが取れたアクティブファンドといえ、この2ファンドに注目します。5位の高成長インド・中型株式ファンド(年1回決算型)は10年の実績はありませんが、高成長インド・中型株式ファンドと同じ外国投資信託で運用しており、あわせて注目です。分配金が不要で運用効率を期待するならこのファンドも選択肢といえます。
投資の選択肢が広がりつつあるインド株式ファンドは、米国株式ファンドや全世界株式ファンドなどに加えるべき資産、分散投資先として期待されます。また、最高値更新で高値警戒感が高まる局面でのインド株式ファンドへの投資は、毎月一定額を定期的に購入するなどの積立投資が有効と考えます。
(※)個別銘柄の取引を推奨するものではありません。各ファンドの組入上位銘柄の情報は2023年5月末基準。
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